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2012年9月

2012年9月23日 (日)

学校で「安全学」を教科として教えてはどうか

9月1日は、防災の日ということもあって、防災関係の番組がたくさん放送されました。その中でも、NHKスペシャルの「釜石の“奇跡” いのちを守る特別授業」が印象に残っています。NHKはシンサイミライ学校http://www.nhk.or.jp/sonae/mirai/というサイトも立ち上げています。

これだけではなく、様々な防災関係の番組を見て思ったのですが、防災の知識、災害から身を守る知識が大変重要だと感じました。しかも、地震の時、火災の時、水害の時など、様々な状況で、幅広い知識が必要ですし、自宅ではなくて、出かけた先で災害に遭遇してしまった場合なども、さらに深い知識と判断力が求められるように感じました。こういったことを、小学校や中学校で、しっかりと子ども達に学んでもらうことは、非常に価値のあることではないかと思いました。子どもが変わることで、大人にも良い影響が与えられますし、防災という問題は長い年月をかけて、継続的に取り組んでいかななくてはならないことですから、防災を学校で学んだ子ども達がいずれ大人になって、社会に出て行くということも、社会にとって大きなプラスになっていくのではないかと思いました。

ところで、話は変わるようですが、やはりNHKのハートネットという番組で、子どもの性暴力被害について取り上げられています。スクールカウンセラーという仕事をしていて、性暴力の被害の問題は、大きな問題だと常々感じていました。やはり、子どもを性暴力の被害から守っていくことは、大変重要なことだと改めて感じました。http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/1000/129591.html

また、いじめの被害が背景にあって、自殺に至ってしまった事例も、報道でとりあげられています。

こういった、様々な被害から子ども達を守っていくためには、子ども達に対して、しっかりと自分自身の安全をまもるための知識や判断力を育てていくことが大切だと思います。現在では、それぞれの分野で、そういったノウハウが蓄積されてきているように感じます。部分的断片的に、小学校や中学校で子ども達に教えられることはあっても、全体的、統合的に、教えられることは今のところゼロでしょう。

分野を限定せず、災害や犯罪、暴力、いじめ、事故など分野を横断的に扱って、自分自身の心と体と命を守る安全教育が必要ではないかと強く思いました。子ども達に学んで欲しい内容は、莫大にあるとおもいます。実技や実習、フィールドワークを含めて考えると、きちんと子ども達の身につくように教えるためには、かなりの時間数を必要とするように思います。

こういったことを考えると、「安全学」や「安全教育」「安全学習」などの名前で、『教科』として子ども達に、学習してもらうことが必要なのではないかと思います。きちんと、国語や算数(数学)や理科や社会と同列の教科として、学習指導要領に規定して、評価を行い、高校入試で必須科目として試験を行うようにするのはどうでしょう。そうすれば、ほとんどの子ども達が、必要性を強く感じてそれなりにきちんと学んでいくのではないでしょうか。安全に関する教育を単発のイベント的な学習に終わらせるのではなく、こういう位置づけにしていくことは、社会として子どもの命と安全を重要視しているという、強いメッセージにもなります。本気で、「安全学」を義務教育の必修科目として、小学校と中学校で毎週1時間程度教えるようにするべきだと強く思います。

子どもはまさに未来ですし、そこに人材やお金や時間を投入する価値があります。また、さまざまな問題は、生じてから後に対処するよりも、予防的に関わる方がはるかに効果的ですし、コストも少なくてすみます。現実には学校は忙しく、学校での授業時数はゆとりはありません。それでも、算数(数学)や国語や社会や理科や英語の時間を少しずつ削って「安全学」を学校の科目として子ども達に教えるようにすることは、極めて重要なことだと思います。それだけの価値があると思います。

ところで、私の専門領域から考えると、災害から命を守るためにも、様々な被害から心を守るためにも、心理教育は欠かせないと思います。緊急事態にもパニックにならずに冷静に対処するための学習や実習、様々なストレス状況でも心理的な負担を軽減し心の健康を保つための学習や実習、そういったものが、「安全学」には不可欠だと思われます。

様々な専門領域で、それぞれの立場から、子ども達の心と体と命の安全を守る取り組みがなされてきています。それぞれがバラバラに活動するのではなく、力を結集して、子どものための「安全学」を作って、子ども達の安全を守る学習を作り上げていき、実際に学校で教科として子ども達にしっかりと学んでもらうことが実現できないでしょうか?

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