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2009年4月

2009年4月13日 (月)

「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」のマニュアル及びリーフレットの作成について

文部科学省が、「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」を設置して、「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」というマニュアル(総ページ数55ページ)とリーフレット(総ページ数4ページ)を作成しました。こちらから、PDFファイルでダウンロードできます。

まだ、ざっと目を通した段階ですが、学校で仕事をしている人にはぜひ1度くらいは読んでおいてほしいと思います。なにより、文部科学省が教師向けに作成したというお墨付きですから、学校現場でも本気になって、このマニュアルを活用してほしいと思います。一応、教師向けのマニュアルですが、当然スクールカウンセラーも一度ぐらいは目を通しておくべきものでしょうし、このマニュアルからもっと進んだ知識や理解を持っておくべきだと思います。
おそらく、冊子とリーフレットは各学校に配布されるはずです。

「はじめに」より

自殺は「孤立の病」とも呼ばれています。子どもが発している救いを求める叫びに気づいて、周囲との絆を回復することこそが、自殺予防につながります。自殺が現実に起きてしまう前に子どもはかならず「助けて!」という必死の叫びを発しています。学校で毎日のように子どもに接している教師の皆さんこそが、この叫びを最初に受けとめるゲートキーパーでもあります。ひとりでこの問題を抱えこまずに、周囲の同僚たち、子どもの家族、医療従事者などと協力してこの危機に向きあってください。

目次

■ 第1章 子どもの自殺の実態
1.深刻な自殺の実態
2.自殺率の国際比較
3.年齢層別死因から見た自殺
4.児童生徒の自殺
5.自傷行為の実態
6.子どもをとりまく死の問題
まとめ
■ 第2章 自殺のサインと対応
1.自殺の心理
2.自殺の危険因子
3.自殺直前のサイン
4.対応の原則
5.対応の留意点
6.子どもに必要な自殺予防の知識
まとめ
■ 第3章 自殺予防のための校内体制
1.子どものSOSに気づく校内体制
2.自殺予防のための教育相談体制
3.危機対応のための校内体制
まとめ
■ 第4章 自殺予防のための校外における連携
1.学校
2.家庭
3.医療機関
4.地域のさまざまな人々
まとめ
■ 第5章 不幸にして自殺が起きてしまったときの対応
1.自殺が起きた後の一般的な反応
2.対応の原則
まとめ
■ 第6章 自殺の危険の高い子どもへの対応事例
■ 第7章 自殺予防に関するQ&A
■ 参考資料
1.地域の関係機関
2.推薦図書
3.児童生徒の自殺予防に関する調査研究について

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2009年4月 8日 (水)

普通の存在に

スクールカウンセラー事業が始まった(平成7年度)頃は、各県に3校(3人)という配置で、スクールカウンセラーになった臨床心理士は、キャリアもあって、周囲から力量を認められた臨床心理士たちでした。いわば、その当時、スクールカウンセラーは「特別な存在」だったと思います。今までは、スクールカウンセラーの配置から10年以上経過し、かなりたくさんの学校にスクールカウンセラーが配置されています。そして、スクールカウンセラーとして働く臨床心理士達も、ほぼ新卒の人など、ごく普通の臨床心理士が勤務しています。つまり、今ではスクールカウンセラーは「ごく普通の存在」になってきました。

私の職業であるスクールカウンセラーについて書きましたが、もっと広く捉えて、臨床心理士について同じことが言えるように思います。臨床心理士は過去には、「特別な存在」だったのかもしれませんが、「ごく普通の存在」にならなければいけないと思います。

治療構造(治療関係)や面接室の中では、利用者の方にとって、臨床心理士は「特別な存在」かもしれません。しかし、機関・施設という職場のなかでは、一人の職員としては、「ごく普通の存在」のはずです。この違いをはっきりと意識することが、臨床心理士が社会的に存在していく際の非常に重要な視点になるのではないかと思います。

「臨床心理士は(心の)専門家だから、職場の人間関係も上手にやらなくてはならない」、とか「臨床心理士は、グループやシステムを扱う能力を持っているはずだから、職場のグループ力動を上手くコントロールしなくてはならない」などという考えは、臨床心理士が万能であるという幻想とつながっているような気がします。職場の一人の職員としては臨床心理士にできることは他の職員とほとんど変わらないと考えても良いと思います。

臨床心理士であっても、一人の人間ですし、職場の人間関係で苦労することもあるし、うつ的になることもあります。それが当たり前のはずです。職業人としての臨床心理士も、他の職種の人たちと同様に、法律や制度で庇護されなくてはならない弱い存在のはずです。

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2009年4月 6日 (月)

臨床心理士が労組結成

NHKでニュースを見ていたら、「臨床心理士が労組を結成」というニュースをやっていました。
Nhk

やっぱり、臨床心理士も労働者としてきちんとした形で待遇を臨みたいと思います。私自身にも嫌な体験があります。
有給休暇を取得しようとしたところ、出勤日を振り替えて対応するように(つまり、有給休暇を取らないように)言われました。父親の介護のために休みたいこと、確定申告を行う時間がほしいこと、来年度のスクールカウンセラーの仕事に応募するために、健康診断を受ける必要があり、その時間が必要なこと、を説明して、有給休暇をとることができました。その際に、できる限り出勤日を振り替えて対応するように念を押されてしまいました。その後、子どもがインフルエンザで熱を出し、休まざるを得なかった時に、やはり有給で休みを取ろうとした時にも、同じようなやり取りがあり、あまり強くは主張できず、出勤日を振り替えて対応してしまいました。非常に悲しい気分でした。

こういうやり取りの際には、あまり自己主張をすると、次年度は雇われないのではないかという不安が頭をよぎり、非常に気になりました。実際に、SCの予算は削られていますし、雇われなくなっても、全くおかしくはないでしょう。理由も、予算が減ったからと言われれば、納得するしかありません。

もう少し安心して働ける環境がほしいものです。

早速NHkのホームページを見てみると、ニュースが出てきました。以下に引用しておきます。

NHK首都圏ニュースhttp://www.nhk.or.jp/shutoken/lnews/03.html

東京都が設置した児童養護施設で、非常勤職員などとして働く臨床心理士が労働組合を結成し、待遇を改善するよう訴えました。

労働組合を結成したのは、東京都が設置した、各地の児童養護施設で、非常勤や臨時の職員として働く、20代から30代の臨床心理士8人です。
8人は、施設を運営する社会福祉法人「東京都社会福祉事業団」に採用され、長い人では11年間にわたって、施設にいる子どもたちの悩みの相談に応じているということです。
しかし、契約期間はいずれも1年で、月の手取り収入は多い人でも15万円程度のため、生活が成り立たたず、職場を去る人が後を絶たないということです。
このため8人は、先月12日に労働組合を結成し、社会福祉法人に対し正規の職員として採用し、待遇を改善するよう訴えています。記者会見した木村秀さん(31)は「9年間働き続けてきたが、給料は変わっておらず、今の待遇のままでは仕事を辞めざるを得ない。子どもたちの心のケアを十分に行うためにも待遇を改善してほしい」と話していました。
一方、東京都社会福祉事業団は、「施設の運営にあてる東京都からの指定管理料が決まっているため給与の引き上げは難しいのが現状だ。組合との話し合いには応じていきたい」と話しています。


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