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2008年12月

2008年12月26日 (金)

集中講義・精神分析 上 (1) 藤山 直樹 (著)

今読んでいます。第Ⅰ部「精神分析とは何か」を読み終えたところです。ずしっと、お腹にたまってくるような、感覚が味わえます。いっぺんにざーっと読むことはできません。自分の、実践の記憶が色々と刺激を受けてよみがえってくるような感じです。

読んでいる最中ですが、読んでいて、羨望を感じます。精神分析という文化や、その文化を生きている著者に対してです。ある意味、梨園やに対するあこがれや尊敬、羨望と近いような感覚のような気がします。伝統を持ち独特で濃密な文化の中を生き抜いている存在(精神分析の伝統は100年をどうにか超える程度ですが、(広い意味での)心理臨床の世界では、最も長い伝統を持っています。)に対する、憧れと羨望です。

本書に限らず、精神分析そのものについては、言葉を使って説明することは不可能なのだと思います。この本を読んで何かを理解したような気がしたとしても、おそらく、小さな窓から、精神分析の影を垣間見ているようなものでしょう。しかし、それであっても、この本に書かれていることは、毎日の日常生活の中でおぼろげながら感じていること、日々の臨床実践の中で感じていることを、思い出させてくれます。精神分析という装置(場・仕組み)は、普段の日常生活の中で生じている人と人との相互作用を、(分析空間以外の要因が排除されることによって)わかりやすく拡大して体験させてくれるのかもしれないと、思いました。「もちこたえる」ことの大切さを感じましたが、精神分析の体験は分析家と被分析者に相当の負担を強いるだろうし、きちんとした設定・枠組みなくしては、「もちこたえる」こと自体が不可能だと感じました。

非常におもしろいのですが、先に読み進める、体力(気力ではなく、体力のような気がします)が今はありません。それで、感想を書いています。しかし、(私は分析空間に身を置いているわけではありませんが、)感想を書くことも、アクティングアウトような気がします。

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2008年12月20日 (土)

静岡県の「理想の学校教育の実現を目指して(提言)」に見るスクールカウンセラー

静岡県が出した「理想の学校教育の実現を目指して(提言)」という提言に、スクールカウンセラーのことが何度か出てきます。
http://www.pref.shizuoka.jp/kyouiku/realization.html

スクールカウンセラーが必要だと認識され、小中高校全ての学校に常勤で配置する施策案が提言されています。

「スクールカウンセラーの配置拡充」スクールカウンセラーは、児童生徒の不登校をはじめとする悩みや保護者の相談に対応するため配置されている。スクールカウンセラーの任用条件は、非常勤で、任用期間が1年又は2年となっており、不安定な雇用となっている。週1回の勤務では、学校の中でのコミットメント(組織への貢献)にも難しいところがあることから、スクールカウンセラーの常勤配置を進める。

と書かれているんですね。本当にそうなってくれるのを強く願います。

まず概要でスクールカウンセラーについて書かれている場所は

「理想の学校教育の実現を目指して(提言)」   平成20年10月
提言の概要
第1章 理想の学校教育とは
第2章 静岡県の学校教育の現状と課題(抄)
第3・4・5章 学校教育の改善を図るための施策の推進体系
 1 ねらい
 2 手法
 3 方向と施策案
  (1)組織マネジメントの強化による生産性の向上
  (2) きめ細かな指導による教育の質の向上
    (第3点目)生徒指導の充実(スクールカウンセラーの配置拡充)

現状の分析では

第2章 静岡県の学校教育の現状と課題
3 心と体の健康教育の充実
(1)現状
イ 心の健康
こうした状況に対して、県では児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識・経験を有するスクールカウンセラーをすべての中学校と約8割の小学校に配置しているが、1人のスクールカウンセラーが複数校を担当している場合がほとんどであり、教職員、児童生徒、保護者からの相談に十分対応できていない。
また、高等学校には10 校に配置されているのみであり、特別支援学校には配置されていない。

(2)課題
上記の現状を踏まえ、課題を列挙すると次のとおりである。
○ 養護教諭の指導の充実が図られるように、養護教諭の配置の在り方を見直すとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を拡充するなど、外部の専門家の支援を受けることができる仕組みを確立すること。
○部活動において、生徒の健康や生活リズム等に十分配慮すること。
○生徒や保護者のニーズにこたえ、部活動指導の専門性を向上させるために、部活動に外部人材を活用するとともに、指導者の資質向上に努めること。
○児童生徒の心身ともに健全な成長の基礎となる食育について、今後も、家庭や地域と連携しながら、取組を推進すること。

施策の方向性では

第3章 今後の静岡県の学校教育が目指すべき方向
3 施策推進の方向
具体的な施策を推進する上で、重要となる施策推進の方向について、
3つの手法に留意しつつ、以下の2つを定めた。
(1)組織マネジメントの強化による生産性の向上
(2)きめ細かな指導による教育の質の向上
きめ細かな指導を行うために、従来から少人数指導加配、中学校1年生支援プログラム、小学校1 年生学級支援事業、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー・各種相談員の配置等を実施し、これらの施策によって、一人一人の児童生徒に対するきめ細かな指導が可能になってきている。今後は、これまでの施策を更に拡充・補完することが求められる。

施策案では

第4章 課題解決に向けた施策案
(4)生徒指導の充実
児童生徒の非行等問題行動の防止や健全育成を推進するため、各校種における生徒指導の体制を強化して、担当業務の中で生徒指導に重きを置くことができる教員を配置する。
ア 生徒指導主事の業務時間の確保
学校全体における生徒指導を円滑に行うためには、コーディネーター役を担う生徒指導主事の役割が大切である。具体的には、問題行動等に関する情報を把握し、個々の生徒に適した指導が行われるよう校内を調整し、関係機関や保護者との連携の調整を行うことが求められる。
そのため、生徒指導主事がその業務に重点を置くことができるように、担当時間を通常よりも減らす措置を行う。
イ 養護教諭の複数配置基準の引き下げ
児童生徒の心身の健康に関する問題は、いじめ、不登校、喫煙・飲酒、生活習慣の乱れ、虐待、アレルギー疾患など多岐にわたり深刻化している。そのため、保健室へ来室する児童生徒が増加し、一人当たりの対応時間も増加していることから、養護教諭一人では十分な対応を図ることが困難な状況にある。
そこで、養護教諭の複数配置の基準について見直しを進め、複数配置校を拡充する。
ウ スクールカウンセラーの配置拡充
スクールカウンセラーは、児童生徒の不登校をはじめとする悩みや保護者の相談に対応するため配置されている。スクールカウンセラーの任用条件は、非常勤で、任用期間が1年又は2年となっており、不安定な雇用となっている。週1回の勤務では、学校の中でのコミットメント(組織への貢献)にも難しいところがあることから、スクールカウンセラーの常勤配置を進める。

エ スクールソーシャルワーカーの配置
 現在、保護者が抱える問題として、育児不安や児童虐待などが挙げられる。
 児童生徒の家庭がこのような問題を抱えている場合、教員やスクールカウンセラーが保護者と話し合うことで問題解決が図られる場合もあるが、医療・福祉などの関係機関との連携を必要とする場合もあるため、教員が問題解決のコーディネートに当たるのではなく、社会福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーの配置を進める。
(5)部活動指導の充実
(6)家庭・地域との協働の推進
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施策案のまとめの表では

理想の学校教育具現化のための学校種別施策案
児童生徒に対する指導の質を高め、充実させるための環境整備
-教員の子どもと向き合う時間の拡充と指導準備時間等の確保-
スクールカウンセラーの配置
【小学校】全校に一人配置(常勤)
【中学校】全校に一人配置(常勤)
【高等学校】全校に一人配置(常勤)

となっています。

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