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2008年7月11日 (金)

心が元気になる本(大河原美以さん監修)






 私のもっとも尊敬する心理臨床家(カウンセラー)の1人である大河原美以さん(東京学芸大学教授)が監修された「心が元気になる本」をやっと手に入れました。この本は、子どもたちが自分で1人で読んだり、大人と一緒に読んで、自分自身の嫌な気持ちと上手につきあえるようになることを願って書かれているようです。

 早速、読んでみました。

 はやと(小5)とみさき(中2)の2人が、スクールカウンセラーの山田先生と一緒に、自分の中に生じるイライラやクヨクヨという嫌な気持ちについて考えていくおはなしになっています。3巻になると、登場人物が増えて、もう少し大きな問題に直面している子どもたちが登場してきます。

 ところどころに「先輩からのアドバイス」というコラムもあり、大学生が自分の過去の体験を振り返って書いた文章が紹介されています。その大学生の過去の自分自身や、同じような問題に直面している子どもたち(読者)がサポートされているように感じられました。

 心の仕組みや問題について説明している部分もありましたが、子どもたちが、SCの山田先生と相談室でやりとりをしている部分が印象にのこりました。その部分は、実際の会話形式で書かれています。子どもの立場に立てば、自分が実際にカウンセラーと話しているような感覚になり、自分自身の否定的な気持ちがサポートされているような感覚が生じてくるように思いました。また、SCの側にたって読めば、子どもにどんな風に関わればよいのかを実際に体験的に理解できるような気がします。

 全体的に、この本は心についての知識を得る本ではないという印象を受けました。読みすすめるうちに、本の登場人物の体験や気持ちの動きが自然に感じられ、それに呼応して、自分自身の気持ちも自然に動き出してくるような本だと思いました。そういう意味では、「感じる」本です。読み終わった後に、自分自身の中に生じるいやな気持ちも、そっと大切に守っていけるような気がしました。

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 早速、うちの長女(小5)が、「その本、何?」と興味を持ってきたので、長女に勧めてみました。すぐに、読み始めて、ドンドン読み進めていき、その日の内に読み終わってしまいました。そんなに一気に読むものでもないような気がしましたが、内容にすごく引きつけられたようでした。

 長女の感想を聞くと、「途中から、ちょっと、泣きそうになった」とのことでした。「ホッとする感じがした」とも付け加えてくれました。このコメントでは、どんな風に感じたか、何を考えたかということが、今ひとつ分からないのですが、本人なりに、色々と感じるところがあり、でも、十分には言語化できないのかもしれないなぁと思いました。

 「もう少し詳しく聴かせてほしい」とお願いをすると、さらに付け加えてくれました。「学級崩壊とか不登校とか、自分にはあんまり関係ないけど、いろんな気持ちのことが書いてあって、そのことで、自分もいろんな気持ちが湧いてきて、気持ちがいっぱいになってきたけど、最後には、ホッとする気持ちになった。」というようなことを話してくれました。

 子どもが1人で読んでも色々と感じたり考えたりすることはたくさんあると思う本です。子育て・子どもに関わる大人が読んでも、子どもの立場になって、子どもを理解するためにも役に立つように思いました。

 この本は、各学校のスクールカウンセラーの相談室に必要だと思います。遊びに来た子が、何気なく、手にとって読んでくれると、すごく良いと思います。また、小児科の待合室にぜひ置いてほしいと思います。


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