「ず」か「づ」か
お名前のない方から、
「日本語は正しく使用しましょう。「少しずつ」が正解です。」
と、コメント欄で仮名遣いについてご指摘いただきました。
「少しづつ」と書いたんですけれども、「ずつ」が正しいんですね。私は、どうも、「づつ」が感覚的には、しっくり来ます。学校では「づつ」と習ったような気がしたので、調べてみました。
昭和61年7月1日に『「現代仮名遣い」の実施について』という内閣訓令第1号に決まりが書いてありました(20年以上前ですね・・・)。
それによると、「ずつ」が原則で、「づつ」もまあ、許容される書き方ということのようです。
「ず」か「づ」かでは、余談ですが、その内閣訓令第1号によれば、「稲妻」は「いなずま」が正しいということです。個人的には、何となく「いなずま」は気持ち悪いような気がします。「つま(妻)」という漢字が使われているから、「づま」が正しいような気がしますね。
稲妻という空中放電が、空気中の窒素を固定して、それが肥料になって、稲がよく生育するということから、昔から稲と雷光は関連づけられていたそうです。稲を実らせるという意味で「稲妻」という言葉が使われるようになったと、どこかで聞いた記憶があります。だから、「稲妻」は「稲」の「つま」なんだから、「いなづま」ですよね、意味的には・・・。
調べてみると、「稲」+「夫」で「いなづま」だそうです。もっと知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。
http://gogen-allguide.com/i/inazuma.html
この内閣訓令には8項目の前書きがあって、3項目を引用すると
1. この仮名遣いは,語を現代語の音韻に従つて書き表すことを原則とし,一方,表記の慣習を尊重して,一定の特例を設けるものである。
2. この仮名遣いは,法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活において,現代の国語を書き表すための仮名遣いのよりどころを示すものである。
3. この仮名遣いは,科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。
ということだそうです。
結局、「ずつ」が原則なんだけれども、『「づつ」でなければならない』とは言えない、という私の結論です。でも、私も気がつく限り、今後は「ずつ」を使うと思います。
蛇足ですが、今でも、稲妻は、「いなづま」の方がしっくり来るような気がします。
言葉や言葉遣いを、ルールで決めるということの難しさをかいま見た気がしました。
さらに余談ですが、「水」は古来「みづ」であったということを昔高校の授業で聞きました。「みず」は、「見ず」(つまり、「見ない」ということ)だったそうです。私の住んでいた地方では、その当時でも、お年寄りは、「ず」と「づ」の音をきちんと、区別して発音できていたと、高校の古文の先生が教えてくれました。私には、「水」は「みず」ですね。
ところで、「ず(zu)」と「づ(du)」は、日本語では非常に似通った音、あるいは、ほぼ同じ音、として認識されているということだと思うのですが、日本語以外を母国語とする人にとっては、似ている音に聞こえるのでしょうか? 英語の「R」と「L」も日本人にとっては、非常に似通った音、あるいは、ほぼ同じ音、として認識されていると思うのですが、英語を母国語として使う人たちも、似ている音だと感じているのでしょうか? 前からの疑問ですね。
なんだか、何が書きたいかはっきりしませんが、「ずつ」と「づつ」でいろいろ考えてみました。
コメントありがとうございました。