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2005年6月29日 (水)

今もっているものを使って

 最近こういうテレビ番組をやっているかどうかよく分からないのですが…。プロの料理人が家庭を訪問して、その家庭の冷蔵庫にある食材を使って、料理を作るという料理コーナーをよく見ていました。よく見ていたと言っても、大学生時代に(15年ぐらい前)大学にもあまり行かずに、昼間にテレビをなんとなくつけていて、たまたまやっていたのを見ていたのです。

 「冷蔵庫にある食材で」というところに気持ちをひかれてそういうコーナーを見ていたような気がします。でも料理人がメインになる食材をあらかじめ用意してきたり、包丁は自分のを使ったりして、家庭の主婦が普通使わないような技術を使ってたりして、料理をすることが多かったような記憶があります。これが私には、かなりガッカリでした。

 もちろん、その料理人がつくった、時のその料理そのものはおいしいのかもしれません。でも、その体験(企画)は、その家庭の主婦にとって、その後の生活の中で生かされるのかなぁと、疑問に思いました。

 他にも、主婦向け(?)の番組で、ご主人にスタイリストさん達が服を選んであげたりして、ご主人を見違えるように(!)するというコーナーがありました(今でもあるんでしょうか?)。こういうのを見ていると、その番組で色々と選んでもらった服装は、その人の生活の中できちんと生かされるのだろうかと疑問を感じます。番組で選んでもらったその一式を、そっくりそのまま使うしかないのではないかと、心配になります。

 結局、私は、その人が「今もっているものを使う」ということが大切なのだと思います。本当に、冷蔵庫にあるものだけ、その家庭の主婦の持っている技術と道具だけ、を使って今までとは(少し)違う、しかもおいしい料理を作ってみせることが大切なのではないかと思います。ご主人の持っている服だけを使って、ご主人を見違えるようなかっこいい男性にすることが大切なのではないかと思うのです。そこが、プロの腕の見せ所でしょう。

 心理的な援助活動も、その人が持っているもの、その人の頭の中にあるもの、その人が考えていること、だけを使って、今までとは違う快適な生活・時間を生み出すことが大切なのではないかと、思います。でも、まあ、これって理想で、簡単にできることでもないように思います。そこに少しでも近づいていきたいと思っています。

 ところで、私はスクールカウンセラーですので、学校で仕事をしています。教育というのは、子ども達に、新たな知識技能を身につけることを重視しています。九九を覚えるとか、漢字が書けるようになるとか…です。つまり、学校で行われていることの大半は、子どもの外側に価値あるものがあり、それを子どもがどのように吸収するのかということです。私が上に書いたことは、子どもの内側に価値あるものがあり、それを子どもがどのように活用するかということです。この2つは一見相反するものですが…。(以下続きません)

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コメント

ご無沙汰しております。
ぐぐっと引き込まれたところで、以下続きません、と書かれていたので、思わず笑ってしまいました。

今でも、亭主改造みたいなコーナーはあります。
劇的に変化して、毎回びっくりするのですが、突然の変化過ぎて、意識の変化はあまり無いみたいですね。(笑)

もし差し支えなければ、私のブログのリンクのコーナーにichiroさんのブログへのリンクを張らせて頂いてもよろしいですか?

コメント有難うございました。
リンクに追加させて頂きました。

今後ともよろしくお願い致します。

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